成功した事例より失敗した事例から学ぶものの方が多いものです
このコーナーではそれぞれの事例の問題点をピックアップして解説します。

失敗敗事例から学ぶもの

(出入り口)

改造動機:式台から土間に降りるのに、不安感が出て来たので踏み台を購入設置した。

問題点:踏み台の天板が薄いため、昇段の時、つま先が引っ掛かる事が多くなります。
      しかも、それぞれの段差がまちまちのため、夜間は危険です。

ポイント:踏み台は段鼻(踏み板の先)が無いか出来るだけ厚みのある物を購入します。
      階段などの段差を解消するときは、同じ段差が連続するようにします。

改造動機:別棟への入口階段の踏み巾が狭かったので広く改造した。
       
問題点:最上段が一番狭いために、開きドアのドアノブを廻した後、一段降りて身体を交わし
      扉を全開した後再び昇段する複雑な動作をしなければならない。
     
ポイント:階段巾は、一定のリズムで昇降出来るように同寸法巾で築造するのが原則です。
      しかし、外開きドアの開閉に伴って後退する場合は最上段に充分な巾を設置しな
      いと、転落する危険があります。事例は逆の設計となっています。

      

改造動機:塀の築造に合わせて、タイル貼りのポーチを設置した。

問題点:玄関前道路の角切りに合わせて下の段を築造したために、扉前のポーチが
      変形となり、来訪者が辞去の挨拶をしながらドアを閉めようとして再々転落
      事故を起こしています。

ポイント:屋外からの見た目を優先した設計が仇になっています。こうした事例は商業施設
      でもよく見かけます。見た目より、安全が当然優先されなければなりません。

改造動機:増築した部屋への通路巾を確保するために通路を三角に拡幅した。

問題点:曇り日や点灯前に、式台にしばしば足を踏み外すことがある。

ポイント:室内に於いて、変形の段差箇所は作るべきではありません。踏み込んで、思い
      当たった時には、転落しています。

三角の框の拡幅

変形ポーチ

段差解消ー踏み台設置

通用口階段

改造動機:洗い場と脱衣室間の段差が大きいため、将来の車椅子利用も予想して
       左官職がタイルでスロープを設置してくれた。

問題点:濡れたタイルスロープにかかとや足先が乗ると非常に危険です。

ポイント:段差解消イコールスロープという発想をする建築関係者はとても多いものです。
      思い込みや思い付きでの工事は危険な生活環境を作ります。

思い付きの施工

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