a点に縦手すりを付けた場合 : 健常な右手で手すりを掴み、麻痺のない右足を上げ、次に左足を
上げます。降りる際は、右手で掴み麻痺側の左足を降ろし、ついで
右足を降ろします。
評価: 昇段の際にやや窮屈ですが、降段は安定しています。
b、e点に付けた場合 : 双方とも障子が完全には閉められず、家族の生活に影響します。
C点に付けた場合 : 昇段に際し、右手で手すりを掴んだ時点で、昇段を諦めることに
なります。あるいは、後ろ向きに昇段することに。
評価: 評価するまでも無いですね。
d点に付けた場合 : 昇段はとても安定しますが、降段に際しては、右手で手すりを掴んだ
ままでは降段出来ません。
手を離して、柱に掴まって降りるか、手すりを掴んだまま後ろ向きに
降段する事になります。
評価: 降段に際して難点が大きい設置位置です。
f点に付けた場合 : 昇段に際しては、窮屈になることもなくスムーズに移動が出来ます。
しかし、降段に際してはd点程ではありませんがやや足元が窮屈
になります。
評価: a点と逆の評価になります。昇段の際に安定し、降段はやや窮屈です。
結局、a・f点両方が正解となるのでしょうか。
残念ながらこの場合、正解はa点となります。
身体の動きに障害がある場合、昇段する動作より降段する動作が不安定になります。これは
段差を上がる場合、自分の体重を自分でコントロールしながら引き上げるのに対し、段差を降りる
場合は引力による加速が伴うからです。従って、降段に安定感のあるa点が推奨される事に
なります。
この考え方は、横手すりの設置でも生かされます。
降段に際し、より安全な動作が出来る側に手すりの設置を行います。通常は利き手側、麻痺が
ある場合は麻痺のない側となります。
注意点:これはあくまでも原則です。昇段後の移動方向等様々な要件も検討材料になります。